NOTEノート
キッチン&パントリーの在庫が回る仕組み
キッチンとパントリーは、家の“心臓部”。
ところが現実は、買いすぎ・二重買い・賞味期限切れ・どこに何があるかわからない・・・
など、在庫が「回らない」小さな不具合が日常の手間と出費をじわじわ増やします。
大切なのは“片づけの気合い”ではなく“回る仕組み”。
今日はSMARTWORKSの現場で実践している手法をお伝えします。
読み終わる頃には、片付けしたい!という気持ちになっていただけるはずです。

在庫が回るキッチンの「3つの土台」—見える・取り出せる・戻せる
在庫が回らない原因の8割は、置き方ではなく“見え方”にあります。
まずは次の3つをそろえるだけで、煩雑になっているキッチン在庫の収納は解消しやすくなります。
①見える(ひと目で残量がわかる)
在庫の「姿」が見えないと、二重買いが起きます。
ルールは簡単。
・奥行きの浅い棚を基本にする(目安:15〜30cm)。深い棚は大容量に見えて、実は“奥の行方不明”を生むだけ。
・前後二列を作らない。どうしても二列にする場合は、前が“今使う”、後ろが“ストック”の二層に固定。
・半透明よすりガラス程度の透明”の容器を選ぶ。中身と残量がひと目でわかることが最優先。

②取り出せる(ワンアクションで手に取れる)
出すのに手間がかかる場所は、在庫が死蔵化します。
・引き出し>開き戸。可能なら引き出し収納を主役に。最下段は重い物(米・水・缶)。
・ファイルボックスより“浅型トレー”。上からサッと抜ける形がベスト。
・小袋・素麺・乾物は“立てる”。寝かせ置きは下の層から化石化。
③戻せる(ついでに元の位置へ戻せる)
戻すのが面倒だと、在庫は行き先を失って迷子になってしまいます。
・ラベルは“言葉+イラストorアイコン。家族全員が読める・探せる工夫を。
・指定席は“ものの名前”で決める(例:カレーの素/乾麺/缶詰)。「よく使う」や「いろいろ」など曖昧な名前は混乱のもとになりがち。
・戻す動線を1歩で。使う場所の“手前の手前”に指定席を作ると、自然に戻せるように。
新築なら、棚の奥行き・可動ピッチ・引き出しの高さを、使うモノの寸法に合わせて最初から設計するのがおすすめです。
袋物の最適“高さ10〜12cm”、瓶類“高さ20〜28cm”、2Lペットボトルは“高さ33cm前後”。
寸法を合わせることによって、在庫がスムーズに回る仕組みとなっていきます。
「在庫が回る」5つの仕組み
仕組み① 最低在庫量を決める
「いつも切らしたくないもの」の最低数を決めます。
例:食塩は常時2個、ラップは1本+予備1本など。
最低在庫量を決めると“足りない”の不安が消え、買いすぎも防ぐことができます。
家族の消費ペースに合わせて、季節ごとに微調整しましょう。
仕組み② 二層管理(使いかけ層/ストック層)
棚やトレーを手前=使う分/奥=ストックの二層で固定。
移動のルールは「開封したら手前へ、補充は必ず奥へ」。これだけで在庫の賞味期限切れや買いすぎなどを防ぐことができます。
仕組み③ 先入れ先出し
新しく買ったら賞味期限が長い物を奥にして、使う時は手前から。
トレーの右から左へ流すなど、向きも固定していきます。
一方向に流れる“ベルトコンベア”をイメージするとわかりやすいかもしれません。

仕組み④ 補充サイン
最後の1個の前に「補充カード」や「ふせん」などを入れておき、そこに来たら買い足しするなどのルールを設けると、買い忘れ防止に繋がります。
カードには【品名・必要在庫量・よく買う店】を書いておくと便利です。
仕組み⑤ 買い方を仕組みに合わせる
・まとめ買いは“回せる量”だけにしましょう。
棚に少し空きがあるくらいが、買っても大丈夫な量の目安になります。
収納量を超える在庫は、回らなくなる未来を自分でつくってしまうことにつながります。
・セールでは“定番品だけ”を選びましょう。
初めての味や調味料は、まず1個から試してみるのがおすすめです。
使い切れるかどうかを確認してから、次に進むとムダがなくなります。
・生鮮食品は“使い切りセット化”がおすすめです。
肉+野菜+味付けの組み合わせを1袋にまとめておくと、
そのまま料理に変わるスピードがぐっと上がりますし、在庫管理もしやすくなります。
新築の場合は、パントリーに“流れ”が生まれる配置がおすすめです。
入口側には「よく使う消耗品」や「朝食セット」を置くと、出し入れがスムーズになります。
反対に、奥には「飲料・お米・非常食」などの重いものをまとめておくと、動線が整い、とても使いやすくなります。
また、床コンセントや低い位置の専用コンセントがあると便利です。
置き型家電(精米機・ウォーターサーバー)やロボット掃除機の基地として使えるため、「補充」と「掃除」が自然と同時に回り、パントリーがいつも整った状態を保ちやすくなります。
暮らし方別の運用ルール&新築で効く仕様チェックリスト
〈家事を時短したい〉
・朝の5分動線”を最優先。朝食で使う皿・カトラリー・常温パン・コーヒー・ジャムは腰〜胸の高さに集約。
・「出しっぱなしOKゾーン」を意図的に作る(トースター上のトレーなど)。“仮置き”が許される場所があると、散らかりにくくなります。
〈子どもがいる〉
・おやつ・朝食の“自分で用意できるゾーン”を低い位置に設置。ラベルは文字+絵でセットするとわかりやすいです。
・水筒やお弁当グッズは、“乾かす→しまう”までをスムーズに行えるシンプルな動線がおすすめです。
・非常食は“回しながら備える”。レトルトや缶詰は普段使いし、食べたら同じ数だけ補充(ローリングストック)する流れを意識してみてください。
〈料理好き・調味料が多い〉
・カテゴリーの“列固定”(和だし列・中華列・洋風列)。列を崩さないだけで探す時間が激減します。
・詰め替えは“頻度の高い粉だけ”(薄力粉・砂糖・塩など)にすると迷いがなくなり、容器を洗う手間も少なくなります。
〈週末まとめ買い・業務スーパー派〉
・キッチン側は“今使う分だけ”にし、パントリーの一角に“ストック倉庫”を作ると在庫管理がしやすくなります。
・段ボールのまま置かない。中身が見えず、湿気を吸って劣化しやすくなります。届いたらなるべくすぐに開梱しストックしましょう。
・冷凍は薄く平らにして立てる収納がおすすめです。立てれば何があるか一目でわかります。
よくある失敗と回避策
・深いカゴの“ごちゃ混ぜ”→浅いトレー+ラベルで「1カテゴリー1トレー」。
・“見映え先行の統一ボトル”→中身の使用頻度が低い物は無理に詰め替えない。補充の手間が増えると回らなくなります。
・「空きスペース=余裕」という思い込みを手放してみましょう。「8割で使う」くらいで止めておくのがちょうど良い運用になります。
・“家電の置き場が仮”→ブレンダー・フードプロセッサーはコンセントの近くに“出して使える指定席”を作りましょう。
まとめ—今日からできる3ステップ

✔ 今日からできること(今のキッチンでも大丈夫です)
1)二層管理にしてみましょう。
手前には“使いかけ”、奥には“ストック”を置く方法です。
開封したら手前へ、補充は奥へ—この流れを決めておくだけで、在庫が迷子になりにくくなります。
2)「在庫の最低数」を決めましょう。
切らすと困るものの最低数を、家族で共有しておくと安心です。
その数を下回ったら出す“補充カード”を1枚挟んでおくと、買い忘れを防げます。
3)“見える・取り出せる・戻せる”収納に直しましょう。
深いカゴは浅いトレーに替えるだけで、見やすさと戻しやすさがぐっと上がります。
ラベルも「言葉+アイコン」にすると、家族全員が迷わず使えるようになります。
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